「騎士が花嫁」を書き終わってほっとしたころ、「こぼれ話」も考えていましたが、なにか別のお話を書いてみたいと思いました。
むきむきがっしりの騎士様とひょろりとした小柄な少年の話だったので、とろとろにされて甘く啼くコが出るものがいいなぁ、と思いました。
奇妙なとらえどころのない男が鞄になにかを詰めて、見世物にしたり、売ったりするのがいいな。
彼はなにを鞄に詰めているのだろう。
瓶詰の妖精?
小さくて可愛らしい動物?
植物?
そんなところから「淫花」の話は始まりました。
短編で「うまいなぁ」と思う人がいらっしゃいます。
私のように「ある場面だけを切り取って、思わせぶりにしている」のではなく、きちんと読後の満足感が持てる作品。
あまり長いお話だと集中力が途切れてしまうけれど、私にはその濃くて適度な重さのある短編は書けない。
書く技量がない。
と思っていました。
しかし、今回、短編にしたのは「淫花」の話はずるずると続くものではない、と思ったからです。
私の苦手な描写をとにかく盛り込み、途中、
「えっちのじっきょうをしてるみたーい!
くるしいぃぃぃぃぃっ!」
と悶えつつ、なんとか書き終えました。
盛り込みまくったので、最初のものの二倍近くの文字数になりました。
そう、私は圧倒的に描写が少ないのです。
例を挙げると、「騎士が花嫁」のリノの外見はどうでしょう?
17歳で小柄でひょろり。
他は?
元騎士のジュリアスと身長は2/3くらいだそうですが、それで?
髪や目の色は?
肌の様子は?
なにも書いていません。
まだジュリアスのほうが情報があると思います。
赤いごわごわの髪に緑の瞳。
肌は北国特有の白くて滑らか。
戦いでついた傷はあるものの綺麗。
乳首は砂漠の赤い砂の色。
だそうです。
こういったことをとにかく、盛ろう!と思ったのが「淫花」でした。
どれだけ盛り切れたかわかりませんが、私にしては盛りましたよ!
ムーンライトノベルズのランキングで上位に入ろうと思ったら、長編のほうが入りやすそうです。
ポイントが稼げるし、PVが多い日数も長いです。
それでも短編が書いてみたいなぁ、と思いました。
そういうものをぶち抜いて、書きたいなぁと思いました。
やっとアップできてうれしいです。
アップしたあと、Twitterで検索したら「淫花」という言葉を使った作品がたくさんあることを知りました。
わー、かぶってるー!
でも「いんか」という語感も気に入っているので変更する気はありません。
どの視点で読むのが好きですか?
怪しい男?
啼かされて気持ちよくなる淫花?
それとも自殺を考えていたのに淫花の淫らな姿に乱れる男?
私は怪しい男ですね。
写真は今年、私が育てたアサガオ。
■
淫花《いんか》 (ムーンライトノベルズ。R18BL。閲覧注意)
■参考・
騎士が花嫁 (ムーンライトノベルズ。R18BL。閲覧注意)
■参考
「淫花」を書きながら思い出していた作品。
タイトルの「慣用少女・プランツドール」というところからしてけしからん!(笑)
すごくかわいらしいのに、とても淫靡。