一度苦しくて、「未完の完」にしてみた「キヨノさん」ですが、第68話を最終話とし、無事に完結いたしました!
ここから先はネタバレ満載かもしれませんので、お気をつけください。
さて、2019年6月から投稿を始めた「キヨノさん」。
完結するまでに1年半かかるとは、思ってもいませんでした。
「未完の完」を決めたあと、正直なところ肩の荷が下りたような、すっきりというか気楽になりました。
しかし、いつまでもずっと気になっていた。
なんだかすごく手抜きをしたんじゃないのか、とか、ズルしたとか、すっきりしない感じとか。
そんな気持ちを抱えながら、過ごしていました。
お話がうまく進まないときは、自分自身が創作に向かっていなかったり、自分の心身の調子が悪かったり、パワーダウンしているとき。
あるいは、お話の方向が間違っているとき。
その一方で、キヨノさんがかわいらしくもにゃもにゃむにゃむにゃしているシーンはずっと見えていて、「これをどうにかして書きたい」という思いは募りました。
妄想、というか水晶に映るように見えてくるお話は、結構、細かいところまで見えていることがあります。
書いていないこともいっぱい。
裏設定もいっぱい見えます。
それを全部書こうとすると、失敗することがあります。
説明ばっかりで、お話が広がっていかない、進んでいかない。
そんな感じ。
細かいことを私がしっかり知った上で、必要なとき、ちょこっとほんの一行くらい説明すると、本編がするする走ることもあります。
後半の展開だと、家庭教師のジェイコブズ先生や拓馬と美智のあたりがそれにあたります。
黒須の気持ち、白洲の気持ちは随分最初からわかっていたし。
それに伴う櫻子さんの気持ちも。
そして中川さんをはじめ、お屋敷の人たちの別の姿。
しかしなんでそんなことになったのが、私にもわからないので水晶玉をじっと覗き込んでみようと思います。
ぼんやりしか見えていないのが、小林さんとシノさんの出会い、かなぁ。
ハナちゃんも誰かと恋をするだろうし、藤代さんも同じだろうし、本編でも出ていましたが、中川さんの初恋については私も知りたい。
川崎さんも謎の多い人だし。
「なんとなく一部・完」となるような第56話のあと、私はキヨノさんをぶっちぎりで書いていました。
一人称の難しいところ、ってその人の語彙に縛られるところ。
「舌」と書きたいところを「べろ」にするのは、まぁ、キヨノさんらしくていいかもしれません。
が、緋毛氈と書きたいところなのに、キヨノさんはきっとこの言葉を知らないだろうから「赤いふかふかした敷物」みたいなことになるわけです。
そういうのがたまに愛らしく、たまに「ぐあああああっ!ちょっと違うんだけどなぁ」と思いながら書いていました。
最後のあたりはぶっ飛ばして「オトナのキヨノさん」で書きました。
あー、スッキリした!
もうね。
初期の頃は「この塩対応のキヨノさんとヘタレ伯爵で話終わるんじゃろうか」と本気で心配しました。
この人は恋愛感情を持つのかと。
どうしましょう。
どこがシンデレラストーリーじゃあっ、ぼけぇっ!!
と自分をどついていました。
よかったあ。
ほんとによかったあ。
突然、伯爵様がひどいことするし、実は妖しげな正体があるらしいし、接触できなくなるし、着地点が見えなくて「うあああああ」と思いました。
これで。
やっと。
自分もスッキリできるかたちで「完」をつけられますよ!
続きを書くつもりは今のところはありませんが、他の作品でもそうですけど、なにか見えたら、また「番外編」としてそっと追加しておきます。
読んでくださった方、感想やアクションをくださった方、ありがとうございました。
嬉しいなぁ。
キヨノさんが幸せであることは、私も嬉しいです。
創作について語ることは少ないかもしれませんが、Twitterもしていますのでそちらもよければのぞいてみてください。
では、またどこかで。
Kyrie
2021.01.23.