※注意!ネタバレあり。
このお話もまた、Twitterでのやり取りがきっかけでした。
人工的にオメガを増やせば少子化対策になるのでは、というツイートでした。
初めてオメガバースを書いたころから、私も同じようなことを考えていました。
そうすると、「人工オメガになってもいいな」というフォロワーさんが現れました。
「そんなこと言ってるとほんとに書いちゃいますよ」
と言うと、快諾されてしまいました。
それで書き始めたのですが、専門的知識がないし、調べても頭がついていかなさそうなので「すっごい嘘つき」さんになることにしました。
オメガになるためのものを植え付けるために、触手系のものに襲わせることにしました。
こんなことをするのはマッドサイエンティストで、少し歪んだ人にすることにしました。
私がぬめぬめが苦手なのと、きっとこのサイエンティストもぬめぬめした人ともにゃもにゃするのは嫌がるだろうな、と勝手に決め、触手ではありがちのぬめりをなしにしました。
言葉攻めに挑戦しましたが、やっぱり苦手で失敗しました。
この辺りまで、私は自分がかつて読んだり見たりしたちょっとSFちっくな作品が頭をかすめていました。
が、このあとです。
最初は「人工オメガ」の実験が終わったら、このお話も終わりのはずでした。
「本当に妊娠できるのか実験してみよう」とサイエンティストがひどいこと言って、もにゃもにゃして、思わせぶりに終わるつもりだったのです。
しかし、見えたのはまだコドモな人がにやりと艶然と笑っている姿でした。
そして、「赤ちゃんができたの」と言い出したのです。
そのとき、私はまだ触手がうごうごしているシーンまでしか書いていませんでした。
それなのに、そのまだコドモな人はどんどん過激発言をしていきます。
一応、お話を書くときは憑依されてトランス状態のようなことにもなりますが、集中するために眠気を払ったり、音をシャットダウンしたり、反対にイメージにあった音を流したり、いろいろしています。
しかし、今回はどれだけやってもすっごく眠くなって、半分寝ているような状態でPCのキーボードを打っていました。
そのあと、本当に寝るとき「ああ、あれは寝ながら書いたからボツだわ…」と思いながらお布団にもぐりこんでいました。
翌日、読み返してみると、それ以上、なにも書けないことになっています。
多少は手直ししますが、これ以上何かを書き足すことも変更することもしたくありません。
いよいよ、そのコドモな人が登場するお話を書き始めると、まるで乗っ取られたような感覚でした。
キーボードを打つ指も文字を追う目も私のものなのに、意識は半分眠っているようで、まるで他人が作業しているよう。
そんな中でコドモな人は過激発言を始めます。
いつもなら、「きゃー!やめてやめてやめてーーーー!勝手なことしないでーーーー!」と叫ぶことくらいはできるのに、今回はそれすらできませんでした。
どこか半分眠っていて、自分なのに自分じゃないような、そんな感覚でした。
書き終わって読み返しますが、最初は集中していたつもりなのに、次第に集中できずに気がついたら最後まで読んでいました。
何度やっても、途中で集中が切れてしまいます。
もう、触手もコドモな人もすっごく怖くて。
大体、自分のお話はかわいいなぁ、と思うのですが、エデンはすっごく怖くて、背中がぞわぞわーーーーとして、ずっと「怖いよーーーー!」と言っていました。
お蔵入りも考えましたが、でもせっかくだし、と思い切って、Twitterで関係した方の了承を得て、ムーンさんに投稿してみました。
今でも、取り下げようか、と思います。
本当に自分自身が制御不能、そしてこのお話の管理ができない、あるいは孵化するまえのとても未熟すぎるものを投稿してしまった感覚、などのたくさんの理由。
そっと表から隠して、自分の懐で時が満ちるまで温めておこうか、とも思いました。
今のところ、まだオープンにしています。
ムーンさんは「非表示」機能がないから困りますね。
下げるには削除しかない。
もと原稿があるので、問題はありませんが。
ただ、たまに確認するとこんな妙なお話なのに読まれているので、しばらくこのままにしておこうかとも思います。
「まにときり」と「妖紅のエデン」は表紙をつけてくださる方がいらしたら、他のサイトでも投稿してみようか、と考えていました。
しかし、こちらからお願いするにはどうも自分の腰が引けているし、一応、表紙依頼ができるところものぞいてみましたが、「この方に!」という人がいらっしゃいませんでした。
(いらしても、「今は受付していない」表示だったり…。残念)
なので、このお話もそっと手元に置いて、静かに愛でていきたいものになりました。
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妖紅のエデン (ムーンライトノベルズ。R18BL。閲覧注意)
■おまけ
Twitterで絡みのあった方を登場させていますが、その方たちだけだと申し訳ないので、もちろん私も登場しています。
作中、自分が登場することは私の場合、珍しくありません。